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2008.01.30 ひとつ
「私達 なんで二人なんだろう」
女はどこか遠い所を眺めるかのような眼をして言った
唇を微かに震わせてシャボン玉に触れるかのように優しく儚げに男に触れる
男は首を傾げた
どうして とでも言うかのように
「私達が一人だったら良かったのに」
目線の先に男はいるが
女はそれでも遠くを見ているように見えた
見ているもの そこにない夢
女と男の間には 夢 という名の壁がある
「そうしたら 貴方と一緒に生きていける
そうしたら 貴方と一緒に息ができる
そうしたら 貴方と一緒に



… 死ねる もの」

女の眼にすべての光が消えて何も映さなくなった
いや 女がここにいなくなっただけなのかもしれない
男はそれに気付いたのか
女に触れた
男の唇が女の瞼に
それから 頬
そして 唇
最後に 髪に
「そしたら キス出来ない」
男は優しく女の輪郭をなぞる
ここにいなくなった女をかたちどる
女の存在を確かにしていく
「そしたら 触れることが出来ない」
鎖骨へ指は降りていく
唇は肩を撫でる
「そしたら 愛することすらも出来ない」
女はそれにこたえるかのように男の頬に触れた
女を女だと強調する体に 赤い染みを一つ作り
男は続ける
「一つじゃなくて 良かった」
真剣に言う男に
女が微かに笑った
「一つになりたい って言うくせに」
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